九谷焼の特色は、”九谷焼は絵付を離れず”のとおり、その絵画的な絵付にあります。その絵付は、骨描きされた上に五彩の絵の具を盛り上げて塗るという九谷焼独特の彩法で、古九谷において考え出され、再興九谷、そして明治九谷において発展改良され、独特の絵付として完成しました。
1.九谷焼独特の絵付と絵の具
「九谷は絵付を離れて存在しない」といわれ、九谷焼の絵付は独特で、器面に描かれた図案は画家が描いた一幅の絵のようです。この絵画的な絵付を可能にしたのが、いわゆる九谷五彩の絵の具と呉須でした。
2.九谷焼の伝統的な様式
古九谷の廃窯から約80年後、九谷焼は再興九谷の時を迎え、色絵・五彩手の若杉窯、古九谷青手の再興を目指した吉田屋窯、そして赤絵金襴手の宮本窯などが九谷焼の伝統様式を創り出しました。
3.絵画的な図案・文様
古九谷と再興九谷には、見込みの図案と縁の文様を組み合わせもの、そして地文様に文様を描いたものなどがあります。図案は、山水、花鳥、草花、鳳風、幾何学文、人物文などは絵画的ものばかりです。