明治九谷の作品解説 清水美山 赤絵金彩福祿寿字酒杯一対

“福禄寿”の字、“鶴”の図、外側面の“亀甲文”が緻密に描かれています。鶴も亀も七福神の神様である福禄寿にかかわるものであり、金襴手で表した“幸福”の晴れやかさと合わせて“長寿”への願いを小さな器の上に上手く表現しています。

サイズ 口径 約5.6cm 高さ 約3.0cmと3.1cm 高台 約2.3cmと2.4cm

元々「福禄寿」は、古くから人々の信仰を集めました七福神の中の一つの神様ですが、「福」が幸福を、「禄」が身分を、「寿」が寿命を意味していることから、最初の二文字「福祿」で幸福、最後の「寿」で長寿を表わすと伝えられ、お祝いの器などで文様のように使われました。

そして「福禄寿」の神様が連れていたといわれる「鶴」と「亀」も長寿を意味することから、見込みに鶴を、側面に亀甲文(亀)が描かれ、華やかに飾っています。

銘は「九谷/美山」と書き込まれ、共箱の蓋の裏にも「美山造」と書かれています。