明治九谷の作品解説 相川雪花 赤絵金彩牡丹図茶碗

小ぶりな碗の側面に、大きく描かれることの多い牡丹の花がはみ出して描かれています。ですから、描ききれなかった上の枝か垂れ下がっている様相も描かれています。構図の巧みさが見られ、早くから明治九谷に見られた日本画の手法をこの作品も取り入れています。

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碗の側面一杯には牡丹の花が配置され、その花びらも葉も細描に絵付されています。細かな金彩でアクセントがつけられ、豪華な赤絵金彩の小品となっています。

牡丹の花を前面にしてお客の方に向けて置かれたと思うと、この碗は向かい合った相手の目も楽しませたと思われてきて、心憎いデザインです。

銘は「九谷/雪花」と書き入れられています。