中村秋塘の精微な画風は、竹内 吟秋やその弟の浅井 一毫に代表される赤絵金彩細描を特徴とする江沼九谷の画風を受け継ぐ、気品の高さを誇りとするものです。素地の白さを際立てながら赤と金のみによって造り出された細描画の作品です。
サイズ 口径 約2.2cm 胴径 約8.8cm 高さ 約16cm
ふっくらとした徳利の胴の面に、つがいの雀が竹やぶの巣に戻るところを描いているようです。一方の雀がもう一方の雀を見守るように振り向いているところが愛らしく描かれていています。
徳利の頸から胴にかけ波、格子、蛸唐草などの文様が細描され、下の方の矢羽の文様も手を抜くことなく描かれています。
銘は「九谷/秋塘造」と書き入れられています。