明治九谷の作品解説 赤丸雪山 金襴手割取人物花鳥図輪花鉢

かなりの年月が経過していても、金襴手の輝きが衰えず光を放っています。一方で、割取の中には人物、花鳥、雪をかぶった山(富士山に似た)と近くの樹々の図などが日本画のように描かれています。金襴手と色絵が織りなす多彩な絵付です。

サイズ 径 約21.5cm 高さ 約4.5cm 高台径 約9cm

割取を大きくとり、中でも一番大きな団扇型の割取には“月夜にお伴を連れて笛を吹く貴人”といった風情のある図案が描かれています。他の割取には花鳥、雪をかぶった山などの遠景が描かれています。

雪をかぶった山と樹々を一つの割取の中にまとめています。赤丸雪山の作品には雪景色を描いている作品が他にもあり、自分の号“雪山”に思い入れがあったようです。

一変して、裏には大きな実った柘榴が手の込んだ絵付されています。

輪花型の台鉢で、高台の高さが約2cmと他より幾分高く、内側に深く切り込んでいます。この頃としては珍しい成形です。

銘は「九谷/雪山堂」です。他には「雪山製」「赤丸雪山堂製造」「雪山堂画」(井上商店製の作品)などがあります。