明治九谷の作品解説 八田逸山 金襴手花鳥図香炉

八田逸山の作品の中ではやや大きな香炉で、珍しい作品です。その全体に赤絵の花鳥図と金襴手の文様とが溢れるばかりに描かれています。蓋の摘みや三脚に見られる造作は珍獣のようで、どこか愛らしい表情をしています。

サイズ;横幅 約14㎝ 高さ 約21.5㎝

胴の部分の球面を使って赤絵で花鳥図が一回りし、連続した図となっています。花鳥の背景には点描されていて、穏やかな雰囲気が醸し出されています。

蓋にも繊細な花鳥と文様が描かれ、その摘みは可愛いらしい獅子です。炉の口の形状は波打つように成形され、そこには草木の葉がつなげて描かれ、光の角度によっていろいろな輝きを見せています。

銘は「九谷/逸山」と書き入れられています。