珍しい図案の中皿です。丸い形に合わせて、輪を描いて踊る人々だけの図案です。明治後半になっても見られない珍しいものですが、どのような発想から生まれたのかは不明で、興味ある図案です。絵手本をモチーフにしたのではなさそうで、日常生活の中で見たものを画題に取り上げたようです。
サイズ 径 約18.8cm 高さ 約2.6cm
踊り手は着物の姿であり、笠あるいは被り物をつけていますが、おそらく、着物の着こなし方から芸人のようにも見えます。着物の文様は細かく、いくつか見られます。時代を映した鏡であった風俗画と同じようにこの図案には斬新さがあります。
踊り手の姿は十人十色ですが、踊る姿が輪になってつながっているように見えます。絵に躍動感を出すための制作者の意図が感じられます。
銘は「九谷/秋山製」と書き入れられています。ほかにも「秋山堂」「秋山駒次郎商店」などがあります。